ロータリージョイント 技術FAQ
装置設計者・自動化設備エンジニア向けに、作動原理と選定から、特注設計、取付、検査、用途確認まで、実務に役立つ27項目をまとめています。
基礎知識
産業用流体ロータリージョイントは、固定側と回転側の間で気体や液体を移送する機械部品です。構造により、連続回転、正逆回転、限定角度の揺動に対応します。流路を連続させたまま、確認した使用条件の範囲で外部漏れや流路間漏れを抑えます。1流路・多流路の仕様があり、選定時には媒体、圧力、回転数、接続口、取付条件を確認します。
Begapunkが対象とする産業用流体移送用途では、rotary joint(ロータリージョイント/ロータリジョイント)、rotary union(ロータリーユニオン)、swivel joint(スイベルジョイント)は、固定側と回転側の間で媒体を移送する装置を指す呼称として、しばしば同じ意味で使われます。一般的な呼び方は地域、業界、お客様によって異なります。ただし、名称だけでは選定できません。媒体、圧力、回転数、流路数、動作パターン、取付方法も確認する必要があります。
一般的な構造では、媒体は固定側のポートから入り、専用の内部流路を通って回転側のポートへ抜けます。シールが回転部からの外部漏れと流路間漏れを抑え、内部の支持構造が回転部品の位置を保ちます。ただし、この支持構造に装置側の荷重を負担させることはできません。装置構成に応じて、シャフト側・ハウジング側のどちらを回転側にするかを選べます。
流体用ロータリージョイントは気体や液体を移送し、電気用スリップリングは電力や信号を伝送します。装置で両方が必要な場合は、1つのユニットに組み合わせることもできます。ただし、媒体・圧力・流路構成などの流体条件と、電圧・電流・信号種類などの電気条件は別々に確認し、双方で確認した製品図面と、必要に応じて電気仕様書へ反映します。
ロータリージョイントは、固定配管と回転または揺動する部品の間で気体や液体を移送する必要がある産業設備に使用されます。代表的な用途には、包装機、充填機、キャッピング装置、CNC工作機械、ロータリーテーブル、空気圧治具、レーザーパイプ切断機とチャック、自動化設備のターンテーブル、ロボットのエンドオブアームツーリング、溶接ポジショナ、印刷機、繊維機械、ウェブ搬送・加工装置、電池・電子機器用検査治具、林業機械や油圧機械の特注案件などがあります。各用途について、媒体、流路数、圧力、回転数、温度、設置スペース、デューティサイクルを確認する必要があります。ここに挙げた用途がすべてではありません。
使用条件・選定
型式、写真、図面のいずれかがあれば始められます。分かる場合は、使用流体、流路数、最高圧力、回転数もお知らせください。残りの条件はこちらで確認し、標準型式または特注仕様をご提案します。
必ずしも同時に使用できるとは限りません。製品ページの各最大値は個別の上限であり、その組合せがそのまま許容されるわけではありません。高い値を同時に使用する必要がある場合は、使用流体、必要な圧力と回転数、流体の最高温度、周囲の最高温度をお知らせください。これらの数値をまとめて確認し、適した実現可能な仕様でお見積りします。
独立して制御する気体供給、液体供給、戻り配管には、通常それぞれ専用の流路が必要です。各配管の用途と媒体に加えて、ロータリージョイント全体に必要な最高圧力をご提示ください。Begapunkが必要な流路数を確認し、固定側と回転側の各ポートを製品図面に割り当てます。
可能です。各流路の媒体と用途をご提示ください。Begapunkがロータリージョイント全体の使用条件を確認し、適合する接液部材質とシール材を選定するとともに、流路間に必要な隔離条件を評価します。
Begapunkには、圧縮空気、水、添加剤を含む一部の水溶性クーラント、作動油を使用した案件の実績があります。ただし、すべての型式が、ここに挙げたすべての媒体に適合するという意味ではありません。新しい用途では、媒体名、主成分と添加剤、温度、圧力をご提示ください。Begapunkが適合性を確認し、適切な接液部材質とシール材を選定します。
標準の圧縮空気用型式には、エアフィルタ、ウォータセパレータ、ルブリケータの3点で構成するエア処理ユニットと、オイルミストを含む圧縮空気が必要です。オイルフリーエアを使用する場合は、選定前に必ずお知らせください。その条件には、実績のある耐摩耗性の無給油シール仕様をご提案できます。
特注設計・図面・組込み
可能です。技術確認を前提として、Begapunkはお客様の装置に合わせて、接続ねじ、ポートの数と位置、フランジまたはその他の取付方法、外形寸法、センタースルーホール(中心貫通穴)を設計できます。
型式、写真、図面のいずれかがあれば始められます。使用条件を確認し、標準型式または特注仕様をご提案して、図面と見積書をお送りします。最終仕様の合意と入金確認後に製作を開始します。仕様変更がある場合は、製作を続ける前に図面を更新します。
はい。型式だけで見積できます。カタログのSTEPとPDFは製品ページからダウンロードできます。特注はお問い合わせください。お客様向けCADは内部シール構造を開示しません。
取付・運転・寿命
双方で確認した製品図面に従って取り付け、装置の回転軸と芯を合わせてください。固定側と外部配管の間には適切なフレキシブルホースを使い、回転側は図面どおりに装置へ接続します。芯ずれ、振動、外部荷重がロータリージョイントへ伝わらないようにしてください。回り止めやトルクアームは固定側の共回りを防ぐためだけに使い、図面に記載されたフローティングクリアランスを確保します。ロータリージョイントを剛固定したり、装置の荷重を受けさせたりしないでください。
正しく取り付けた場合、ロータリージョイントは、適切に取り回され、別途支持されたホースやケーブルから生じる付随的な荷重に対応できます。ただし、すべての型式に共通する公表許容荷重はありません。ロータリージョイントに追加のラジアル方向またはアキシアル方向の機械荷重を負担させてはいけません。それらの荷重は、装置側の独立した軸受または支持構造で受ける必要があります。
装置構成に応じて、シャフト側またはハウジング側が回転します。正逆回転と限定角度の揺動に対応できますが、揺動角度、反転頻度、デューティサイクル、回転数は選定仕様ごとに確認が必要です。確認した範囲内であれば、反転時に追加の停止時間は不要です。軸方向の往復運動には対応していません。
ロータリージョイントに外部漏れ、発煙、過熱、異音、回転抵抗の急な増加、異常振動が発生した場合は、直ちに装置を停止してください。装置の安全手順に従って媒体の供給を止め、システムの残圧を抜いてください。システム圧力の低下だけでは、ロータリージョイントの故障とは断定できません。配管、バルブ、その他の関連部品も確認する必要があります。停止後、製品型式、トレーサビリティ番号、実際の使用条件を記録し、Begapunkのエンジニアにご連絡ください。
すべてのロータリージョイント用途に共通する単一の寿命値はありません。実際の寿命は、回転数とそれに伴うシール面の摺動速度、圧力、温度、媒体の成分と清浄度、潤滑、取付時の芯合わせ、外部荷重、デューティサイクルによって変わります。Begapunkは、お客様の使用条件と過去案件の関連経験に基づいて各設計を評価しますが、その経験はあらゆる用途に対する寿命保証ではありません。正しい取付、清浄な媒体、適切な潤滑は、寿命の延長に役立ちます。
生産検査・トレーサビリティ
組立完了したロータリージョイントはすべて、梱包前に流路ごとに検査します。自動検査装置は回転機能を備え、加圧、圧力保持、PASS/NG判定を行います。回転中は、動きが滑らかであること、引っ掛かりがないこと、異音がないことも確認します。すべての流路でPASSが表示された製品だけを出荷工程へ進めます。不合格品は隔離し、修理可能な場合は修理後に全項目を再検査し、修理できない場合は廃棄します。
標準の生産漏れ検査では、1.0 MPaの圧縮空気を使用します。各流路を約1秒間加圧し、装置で製品を回転させながら約4秒間保持します。ほかの流路は開放して無加圧とし、外部漏れと流路間漏れを検査します。検査器にPASSが表示された場合のみ合格です。この生産検査は、寿命や、異なる媒体・圧力・回転数・運転条件への適合性を証明するものではありません。
多流路ロータリージョイントでは、1本の流路を個別に加圧し、その間、その他すべての流路を大気開放した無加圧状態にします。検査装置は、規定の圧力、保持時間、合否判定基準に基づいて結果を評価します。流路間漏れが検出された場合、その製品はNGと判定されます。規定の検査条件において、設定された検出しきい値を超える流路間漏れを検査装置が検出しなかった場合にのみ、PASSと判定されます。
可能です。各ロータリジョイントには、検査記録に紐づく個体別トレーサビリティ番号があります。該当する検査記録が必要な場合は、その番号をお知らせください。記録の同梱、専用書式、特別な合否判定基準が必要な場合は、注文前にお知らせください。
修理・取引条件・用途確認
一部のロータリジョイントは修理できますが、損傷が大きい場合は交換が必要です。標準保証は出荷日から1年間で、見積書、受注内容、書面の保証条件に従います。問題が発生した場合は、型式、トレーサビリティ番号、簡単な使用条件、症状、写真または動画をお送りください。保証対象の製造不良とBegapunkが確認した場合は、標準対応として無償交換し、返送・再発送費用は書面で合意した内容に従います。それ以外の場合は、確認後に修理または交換をご提案します。
カタログ品、特注品ともに最小注文数量は1個です。カタログ品の製作期間は通常約20暦日、特注品は30暦日以内です。製作期間は入金確認後から起算し、国際輸送の日数は含みません。
型式、写真、図面、または簡単な説明のいずれかがあれば始められます。情報がすべて揃っていなくても問題ありません。分かる範囲の内容をBegapunkのお問い合わせフォームまたはsales@begapunk.comへお送りください。Begapunkのエンジニアが未確定の項目を一緒に整理し、適した標準型式または特注仕様をご提案します。
いいえ。お客様からいただいたお問い合わせ内容や図面を、マーケティングや一般公開に使用することはありません。
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型式、写真、図面、または簡単な説明のいずれかがあれば始められます。情報が不完全でも問題ありません。お問い合わせ内容や図面をマーケティングや一般公開に使用することはありません。
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