チューブの巻き付き対策は、固定部と回転部の接続から始まります。 一定角度で往復する装置では、その動きに適したチューブの引き回しやガイドを検討します。同じ方向へ繰り返し回転する装置では、エアロータリージョイントで固定配管から回転部へ圧縮空気を供給し、両者をまたぐチューブにねじれが蓄積するのを防ぐ方法があります。
治具が数回割り出すとチューブが軸に巻き付き、停止中に直しても再運転で同じ状態になる場面を考えてみてください。長いチューブや柔らかいチューブに替えても、巻き付くまでの時間が延びるだけの場合があります。同じ方向へ回し続ける限り、固定端と回転端の相対角度は増えていきます。
回すたびにチューブが巻き付くのはなぜ?
空気源は通常フレーム側に固定されていますが、シリンダー、グリッパー、ブローノズルは回転テーブル側に取り付けられる場合があります。チューブの片端を固定し、もう片端を回転させると、その相対運動をチューブが受け持ちます。適切な回転接続やガイドがないと、ねじれたり、軸に巻き付いたり、周辺部品へ引き寄せられたりします。
巻き付きは見た目だけの問題ではありません。継手への横荷重、チューブの折れ、擦れ、挟み込みが、漏れや流量不足、動作不良につながることがあります。チューブを束ねると配管は整理できますが、両端の相対回転はなくなりません。
「回して止める」割出動作でも巻き付きます。 例えば、同じ方向へ90°ずつ4回割り出すと、合計で1回転します。途中で止まってもチューブの巻き付きは解けません。停止の有無だけでなく、元の角度に戻る動きかどうかを確認します。
装置の動きに合わせて給気方法を選ぶ
| 装置の動作 | 最初に確認すること | 検討できる方法 |
|---|---|---|
| 一定角度内の 往復揺動 | 各サイクルで元の位置に戻りますか。両端の位置でチューブが張ったり、折れたり、擦れたりしませんか。 | 動作用途に適したチューブを選び、曲げ半径、動作に必要な余裕、ガイド条件を守って配管します。角度、頻度、スペースが適さない場合はロータリージョイントを検討します。 |
| 同一方向への 間欠割出回転 | 各動作が同じ方向へ続きますか。累積回転角度が増え続けますか。 | 間欠運転に適したエアロータリージョイントで相対回転を受け持ちます。移動中の回転数、起動頻度、停止時間を整理して選定します。 |
| 連続運転での 一方向回転 | 運転回転数、連続運転時間、圧力、温度はどの程度ですか。 | その連続運転条件に対応したロータリージョイントを選びます。最高回転数の値だけでは、長時間の連続運転に適するとは判断できません。 |
直線往復機構や多軸ロボットのチューブは、ストロークと軌跡に合わせてケーブルベアや配管パックなどのガイドを検討します。本記事では、固定フレームと単一回転軸の間の給気接続を扱います。
エアロータリージョイントで巻き付きを防ぐ仕組み
エアロータリージョイントは、固定された給気配管と回転機構の間に、シールされた空気の通路を設けます。固定側を空気源へ、回転側を装置と一緒に動くアクチュエーターへ接続します。両側が相対回転している間も、空気は内部の流路を通ります。このように固定部と回転部の間で流体を受け渡すのが、ロータリージョイントの基本的な役割です。
チューブが固定部と回転部を直接つなぐ場合
同じ方向へ繰り返し回転すると、間をつなぐチューブにねじれや軸への巻き付きが蓄積します。
ロータリージョイントで固定側と回転側の配管を接続
配管は固定側と回転側に分けて配置します。回転側のチューブにも支持、ガイド、干渉しない空間が必要です。
22秒のアニメーションで空気の流れを見る
- 固定側から給気: フレーム側の給気配管をジョイントの固定側に接続します。
- 内部流路で受け渡し: 対応する流路を通って空気が回転側へ送られます。
- 回転側から供給: 出口側のチューブは治具と一緒に回転し、各空圧機能に必要な圧縮空気を供給します。
動画はBP-10P-0001の10流路エアロータリージョイントの動作原理を示しています。10本の流路は別々の空気回路に使用でき、各流路の機能は装置の空気圧回路とバルブ配置で決まります。
英語ナレーション付きの原理アニメーションです。治具は説明用です。取付寸法は製品ページの現行図面をご確認ください。
ロータリージョイントは空気を受け渡す部品で、テーブルの駆動やシリンダーの動作制御は行いません。 駆動機構、制御弁、アクチュエーターは装置の機能に合わせて配置します。チューブからの荷重も別途支持する必要があります。
何流路必要?回転部へ渡す独立した回路を数える
まず、独立させる必要がある空気回路を整理します。クランプ、アンクランプ、位置決めピンの作動、ブローの各回路をどう組み合わせるかは、バルブの位置と動作ロジックで変わります。シリンダーの数だけで流路数は決まりません。
制御弁が固定側にある場合
個別に制御する回路を回転部まで渡す必要があります。例えば、固定側の方向切換弁で複動シリンダーを制御する場合、通常はシリンダーの各室と弁を別々に接続するため、独立した2流路が必要です。
制御弁が回転側にある場合
共通の給気を回転側へ送り、そこに設置したバルブマニホールドで各アクチュエーターへ分配できます。境界をまたぐ給気流路を減らせる場合がありますが、バルブへの電源、制御信号、排気も設計する必要があります。
流路数を決めたら、さらに 圧力、回転数と運転サイクル、空気流量、取付スペースを確認します。複数のアクチュエーターを同時に動かすと、流量と圧力損失が応答に影響します。ポートのねじ規格が合うだけでは十分ではありません。中心に軸やケーブルを通す場合は、中心貫通穴の要否も先に確認します。
10流路・間欠回転の例:BP-10P-0001
独立した10系統の圧縮空気回路が必要で、中心貫通穴を必要としない間欠回転装置向けです。
- 最高圧力:1 MPa
- 最高回転数:100 min⁻¹、間欠回転
- ポート:G1/8 × 20、入口10個+出口10個
- 外径8 mmチューブ用継手付き:ストレート10個+エルボ10個
連続回転、作動油、水、真空の用途は別途選定が必要です。このカタログ仕様をそのまま適用しないでください。
取り付けた後に確認する4つのポイント
調整前には装置を停止し、エネルギー源を遮断して残圧を抜きます。装置図面とジョイントの説明書に従って固定、芯出し、支持を行い、チューブでジョイントを無理に引っ張って位置決めしないでください。
- 固定側と回転側の配管を分ける。 別のチューブやケーブルが再び両側を直接またいで、巻き付きの起点を作らないようにします。
- 動作に必要な空間を確保する。 回転側の配管は治具に沿わせ、フレーム、工具、ワーク、隣のチューブとの干渉を避けます。アクチュエーター自体のストロークも含めて確認します。
- 曲げと荷重を確認する。 チューブの曲げ半径と動作条件を守り、ねじれ、急な折れ曲がり、継手根元への横方向の引張りを避けます。装置の相対運動がチューブにねじれを加えないように配管します。
- 動作サイクル全体を確認する。 制御された低速条件で全ストローク、各ステーション、反転動作を観察します。干渉と漏れを確認してから、運転圧力、サイクル時間、同時使用時の給気を検証します。1回転がスムーズでも、サイクル全体の確認は必要です。
エアチューブの絡まりについてのよくある質問
チューブを長くすれば解決しますか?
一定角度内の動きでは、適切な余裕長が役立ちます。しかし同じ方向へ繰り返し回すと、長いチューブでも徐々に巻き付きます。床への接触、引っ掛かり、互いの絡まりが増える場合もあるため、まず固定部と回転部の相対運動を整理します。
各ステーションで停止する装置にもジョイントが必要ですか?
元の角度に戻るかを確認します。停止後も同じ方向へ進むなら累積角度が増え、チューブは巻き付く可能性があります。一定角度の往復揺動なら、まずチューブの動作範囲、ガイド、繰返し曲げ条件を検討します。
向きを変えられるエルボ継手で代用できますか?
取付時に向きを調整できる継手が、運転中の回転シールとして使えるとは限りません。動的な回転が許可されているか、その回転数、圧力、運転サイクルをメーカー仕様で確認してください。
シリンダーが10個なら必ず10流路必要ですか?
必ずしもそうではありません。固定部と回転部の間を渡る独立回路を数えます。シリンダーの種類、バルブの位置、同時動作の有無、共通給気の構成によって必要な流路数が変わります。
ジョイントを付ければ全ての絡まりを防げますか?
固定側の給気配管と回転装置の間を接続しながら、相対回転に対応します。回転側のチューブや他のケーブルは、アクチュエーターのストロークを考慮して引き回し、周辺部品との干渉や、固定部と回転部を再びまたぐ経路を避ける必要があります。
どこで巻き付きますか?装置写真をお送りください。
装置写真や配管スケッチからご相談いただけます。固定部、回転部、回転方向を示してください。分かる範囲で圧力、回転数、各回路の機能もお送りいただければ、給気接続の方法を検討し、適したモデルをご提案します。
参考資料: Parker:ホースの取付・安全ガイド(PDF)